Fiderix SH-20K

青いライン

SH-20K(ハーモネーター)

sh-20k

「120kHzまでの超高域を2.2msec遅らせて追加することで、アナログのような音でCD、LDが楽しめる!!」この文句にまいりました(^^)
当時使っていたCDプレーヤー(DENON DCD1650AL)は、愛読していた「サウンドレコパル」誌で評価が高かったので、試聴もせずに通信販売で購入したのです。
良く言えばエッジのきつくない音、悪く言えばもっさりした音に不満があった私には、超高域が付加されるという文句が福音のように響いたものです。
我が家のオーディオシステムに、ぜひとも導入して至福の音楽を身に浴びたい!

※※※

北海道はオホーツク海に面した紋別市(鉄路は廃線)に当時住んでいた私は、

・オーディオのために東京まで調査に行く。
・機器との相性が悪かったら、下取りに出して速攻で買い換える。

といったことは頭に全くなく、購入した以上はオーディオ機器を徹底的に使い倒そうという意欲が溢れる若者でした。
SH-20K の値段はそれなりに高額で、お小遣いからポンと買える代物ではありません。
倹約できるところは節約し、我慢できるところは購入を控えて、購入資金をなんとか工面していたとき、大阪の逸品館でSH-20Kの中古品が売られていることを知りました。 しかもあのDENTEC-TUNE-UP品!!(オーディオ雑誌の Dentec の広告ページはとても魅力的でした)

中古品は足が速いモノです。すぐさま連絡を取って、無事に購入しました。
今でも思い出すのですが、品物が届いたのは日曜日の昼下がりでした。嬉しさいっぱいの中、逸る気持ちで荷ほどきをしてすぐさま接続、音出しを行いました。

しかし効果が正直分からなかったのです。

エージングを期待しましたが、何日経っても効果が分かりません。
ケーブルの問題かもしれないと思い、 アクロテック 6N-A2050 から当時新鋭の S/A LAB MWT に RCAケーブルを買い換えました。 6n_a2050 sa_lob

S/A LAB は高音域の抜けの良さが評判のメーカーです。換装すると、ケーブルの中で詰まってた音がぽんと抜け出た感じがしました。
しかし SH-20K の EFFECT を ON にしても OFF にしても、その違いは微妙でした。


※※※

S/A LAB MWT はアンプに直接繋ぐよりも、SH-20Kを中継したほうが S/A製品によく言われる「スカキン」が押さえられて聴き疲れません。これが「効果」なのでしょうか?更にSH-20Kが活かせるのならばと重量のある鉛を乗せて徹底的に制振したり、インシュレーターに凝ったりもしました。
そのうち WireWorld の XLRケーブルをメインケーブルに変更したので、RCAケーブル共々引退させてしまいました。
もしかしたら電源ケーブルを脱着式に改造すれば活路が見いだせたかもしれません。

【追記】スーパーツィーターの JBL UT-405 がある現在こそ、SH-20K が必要なのではないかと思っています。

【追記2】オークションを何気なく眺めてたところ、FIDELIXのSH-20Kが1万円前後で何台も落札されています。
現在の私のシステムは変遷を重ね、超高音域にも対応すべくスーパーツィーターにJBL UT-405を擁していますが、肝心のアナログ再生からは撤退しています。ケーブル巡礼もRCA接続で落ち着いていることもあり、折角の環境を活かすためにSH-20Kに改めて挑戦してみようという気持ちになりました。

※※※

おそらく肝要となるRCAケーブルには、wadia850からの受け手にSAEC SL-5000を、mcIntosh MA6900への送り手にaet SCR EVDを配しました。勿論電源の極性は合わせています。
チェックディスクはいつもの「Bags Meets Wes!」。ヴィブラフォンの響きが高音域の音質判断に適しているだろうとの考えからです。
先ずはUT-405に耳を近づけて高域ノイズが聴き取れるかのテストから始めました。
う~ん。
結論から記すと、高域ノイズを聴き取ることはできませんでした。何回もチャレンジしましたが、オフとレベル5との違いは感じられなかったのです。
次いで、S3100Mk2+UT-405のトータルでのテストです。やはり同じサワリを何回も繰り返して確認します。
うん。
プラセボ効果かもしれませんが、「なんとなく」好ましい。
「なんとなく」音像が迫り出ている「感じ」がします。本当に「なんとなく」ですが…。
良くも悪くも一聴瞭然の効果であれば「これこれだ!」と断言するのですが、本当にほんのりとした結果なので「なんとなく」としか言いようがありません。「うわっこれはダメだ」といった悪い方向に作用はしていません。
そもそもが音楽の一部を切り取った「音」のチェックではなく、音楽そのものの悦楽を享受することが私のシステムのテーゼなのです。プラセボ効果であっても、好ましいと感じればそれで良いのであります。
復帰確定です。wadia850の良き相棒として頑張っていただきましょう。
今回はSH-20Kが革命的に廉価だったので再導入することができましたが、現在でも8万円程度の価格であれば入手は難しかった。趣味におけるコストパフォーマンス問題は非常に悩ましい。

sh-20k【追記3】復活させたFidelix Sh-20Kは再び引退することになりました。
【Blue化】したWadia 850 だと、Sh-20kを接続すると明らかに力感が減少してしまうのです。山手オーディオさんのブログによるとWadiaは20Khz以上の音を出力しているので、そのことが因んでいるようです。

【追記3】結局、SH-20K はBlue化したWadia 850 には不必要だと判断し、廉価にて売却してしまいました。